飲酒は寝る4時間前までに済ませよう

はじめに（ストレス解消のためにお酒を飲んでいませんか？）

はじめに（ストレス解消のためにお酒を飲んでいませんか？）

現代社会において、仕事やストレスから解放される時間として「飲酒」をする方も多いと思います。しかし、飲酒が睡眠の質に及ぼす影響についてはあまり知られていません。特に、寝る直前の飲酒がどのように睡眠に影響を与えるのか、そして、どうすれば質の良い睡眠を得られるのかを考えてみましょう。

飲酒と睡眠の関係（飲酒は睡眠の質を低下させる）

まず、飲酒が睡眠に与える影響です。

アルコールは中枢神経を抑制する作用があり、一時的にリラックス感をもたらします。しかし、これは一時的なものであり、実際には睡眠の質を低下させることが多いのです。

1. 睡眠サイクルの乱れ

アルコールは、睡眠サイクルにおけるレム睡眠（夢を見る段階）を減少させることが知られています。レム睡眠は脳の休息や記憶の整理に重要な役割を果たします。研究によると、アルコールを摂取した場合、特に寝る直前に飲むと、深い睡眠が得られにくくなることが示されています（Roehrs & Roth, 2001）。

2. 睡眠の中途覚醒

さらに、アルコール摂取後は、夜中に何度も目が覚めることが多くなります。これは、アルコールが体内で分解される際に身体が脱水状態になり、トイレに行くために目が覚めることが原因です。実際、アルコールを摂取した夜は、非摂取時よりも睡眠の中断が多くなるという研究結果もあります（Ebrahim et al., 2013）。

飲酒のタイミングとその影響（アルコールの分解は一般的には4時間かかる）

それでは、飲酒はいつまでに済ませるのが理想なのでしょうか？
専門家は、寝る4時間前までに飲酒を終えることを推奨しています。これは、アルコールが体内で完全に分解され、睡眠に入る準備が整う時間を確保するためです。

総アルコール量	25度の焼酎に換算した時の量	アルコールの分解にかかる時間
５g	25ml	1時間
10g	50ml	2時間
15g	75ml	3時間
20g	100ml	4時間
40g	200ml	8時間
60g	300ml	12時間

※アルコールの分解速度は体質や遺伝などで変わります

4時間前の飲酒の利点

夜の飲酒を寝る4時間前に済ませることで、以下のような利点があります。

質の良い睡眠の確保：アルコールの影響が薄れた頃に入眠することで、深い睡眠を得やすくなります。
中途覚醒の減少：飲酒後の身体の脱水症状を軽減し、トイレに行くために目が覚める回数を減らすことができます。
翌日の体調改善：睡眠の質が向上することで、翌日の目覚めがスッキリし、日中のパフォーマンスが向上します。