はじめに
高血圧は多くの人々に影響を与える「サイレントキラー」として知られ、自覚症状がほとんどありません。そのため、定期的な血圧測定が重要です。家庭での血圧測定は、健康を維持するための基本的なステップとなります。本記事では、家庭血圧の基準値、白衣高血圧、仮面高血圧について解説し、正しい測定方法や血圧計の選び方、さらにはそれぞれのメリット・デメリットについても紹介していきます。
1. 家庭血圧の基準値
家庭での血圧測定における基準値は以下の通りです。
正常血圧:収縮期血圧 (systolic) 120 mmHg未満、拡張期血圧 (diastolic) 80 mmHg未満
この値がを超えてくるようであれば、日常生活の改善が必要となります。
高血圧前段階:収縮期血圧 120-129 mmHg、拡張期血圧 80 mmHg未満
高血圧:収縮期血圧 130 mmHg以上、または拡張期血圧 80 mmHg以上
これらの基準値を理解することで、自身の健康状態を把握するのが容易になります。
2. 白衣高血圧と仮面高血圧
白衣高血圧、仮面高血圧という言葉を知っていますか?
これらは家庭血圧を知っておくことでより診断がスムーズとなります。
2.1 白衣高血圧とは
白衣高血圧とは、医療機関で測定した際に血圧が高くなる現象のことを指します。これは、医師や看護師の存在、診察室の雰囲気による心理的ストレスが原因です。家庭での血圧が正常であれば、白衣高血圧の可能性が高いと言えます。
「病院に行くと緊張する」、「白衣を見ただけで血圧が上がってしまう」
こんなことありませんか?
2.2 仮面高血圧とは
仮面高血圧は、医療機関で測定した際には正常でも、家庭で測定すると高血圧になる状態を指します。この状態は、無自覚のうちに心血管リスクを高めるため、特に注意が必要です。家庭での測定は、こうした仮面高血圧を早期に発見するために重要です。
※家の中だと気が休まらない」、「常に忙しく動き回っている」など、
家庭で過ごすよりも病院などに来た方が休まっているという方はいませんか?
3. 家庭血圧測定の重要性
家庭での血圧測定には、以下のような重要な意義があります。
早期発見:定期的な測定によって、高血圧を早期に発見し、適切な対策を講じることが可能です。
治療効果のモニタリング:高血圧治療を受けている場合、家庭での測定結果を医師に報告することで、治療効果を確認できます。
生活習慣の改善:測定結果をもとに、食事や運動習慣を見直すきっかけになります。
4. 正しい血圧の測り方
家庭で血圧を正しく測定するための手順は以下の通りです。
4.1 測定前の準備
静かな環境を整える:リラックスできる静かな場所で測定を行います。
排尿を済ませる:起床時などに測定する場合は、排尿後1−2分程度経過してから測定を行います。
休息を取る:測定前に5分程度、静かに座って休むことが重要です。
正しい姿勢を保つ:心臓と同じ高さになるようにして測定します。
座る場合:机などに測定する腕を置く
横になる場合:手を胸の横になるようにする
4.2 血圧の測定手順
カフの装着:血圧計のカフを上腕にしっかりと装着し、心臓と同じ高さに保ちます。
測定開始:血圧計のボタンを押し、測定が完了するのを待ちます。
結果の記録:測定結果を記録し、必要に応じて医師に報告します。
2回測定をして平均をとることをお勧めします。
可能であれば朝、晩に時間を決めて測定すると普段の血圧の把握がしやすくなります。
5. 血圧計の選び方
適切な血圧計を選ぶことも、正しい測定には欠かせません。ここでは、血圧計の種類とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
5.1 上腕式血圧計
メリット:一般的に正確性が高く。医療機関でも使用されているため、信頼性があります。
デメリット:サイズが大きく、携帯性に劣り、カフの装着が難しい場合があります。
健康診断などで血圧を指摘された方、高血圧治療中の方はこちらの血圧計をお勧めします。
5.2 手首式血圧計
メリット:コンパクトで持ち運びが簡単です。カフの装着が簡単で、手軽に測定できます。
デメリット:上腕式に比べて測定精度が低い場合があります。測定位置によって結果が変わる可能性があります。
手首で測定する場合は、測定する場所が心臓から離れてしまうため、血圧が低く出る場合があります。普段の常用ではなく、外出時や旅行など一時的に測定する場合には便利はな血圧計です。
6. 家庭血圧測定を習慣化するために
家庭での血圧測定を習慣化するためには、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
測定時間を決める:毎日同じ時間に測定することで、結果を比較しやすくなります。
記録をつける:測定結果を記録し、変化を把握することが重要です。
家族で取り組む:家族全員で血圧測定を行うことで、健康意識を高めることができます。
7. まとめ
家庭での血圧測定は、健康を維持するための重要な習慣です。白衣高血圧や仮面高血圧の理解を深め、正しい測定方法や適切な血圧計を選ぶことで、より良い健康状態を保つことができます。定期的な測定を通じて、自分自身の健康をしっかりと管理していきましょう。
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参考文献
日本高血圧学
会国立循環器病研究センター
厚生労働省「高血圧の治療ガイドライン」
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