血圧を指摘されたら「眼底検査」を受けましょう

はじめに
血圧と眼底の関係
1. 眼底の高血圧性変化
高血圧の危険性
眼底検査の重要性
1. 検査の流れ
2. 検査時の注意点
眼底検査で異常があった場合の対処法
40歳以上の方へのお勧め
まとめ

はじめに

高血圧は、心臓疾患や脳卒中などのリスクを高めるだけでなく、目にも深刻な影響を及ぼすことがあります。特に、眼底の血管は血圧の変化に敏感であり、高血圧性変化が現れることがあります。この記事では、血圧と眼底について紹介をしていきます。

血圧と眼底の関係

血圧とは、心臓が血液を押し出す際に血管にかかる圧力のことです。通常、血圧は日常生活の中で変動しますが、持続的に高い状態が続くと、血管に負担がかかり、さまざまな健康問題を引き起こす原因となります。
特に、眼底にある血管は非常に細く、圧力の変化に敏感です。

眼底の高血圧性変化

高血圧が続くと、眼底の血管に以下のような変化が現れることがあります。

動脈硬化：血圧が高い状態が続くと、眼底の動脈が硬くなり、内腔が狭くなることがあります。
出血：高血圧が原因で血管が破れると、眼底出血が起こることがあります。これは視力に影響を及ぼす可能性があります。
網膜浮腫：血液の流れが悪くなることで、網膜に水分がたまり、視力の低下を引き起こすことがあります。

このような変化は、視力の低下だけでなく、最悪の場合、失明に至ることもあるため、早期の発見と対処が重要です。

高血圧の危険性

高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、症状が現れにくいため、気づかないうちに進行することがあります。高血圧が引き起こす主な健康問題には、以下のものがあります。

心臓病：心臓に過剰な負担がかかり、心筋梗塞や心不全のリスクが増加します。
脳卒中：脳の血管が破れるか、血流が妨げられることで脳卒中を引き起こす可能性があります。
腎臓病：腎臓への血流が減少し、腎機能の低下を招くことがあります。
眼疾患：前述の通り、眼底の血管に変化が生じ、視力障害が起こることがあります。

これらの問題を防ぐためには、高血圧を早期に発見し、適切な治療を受けることが不可欠です。

眼底検査の重要性

高血圧が疑われる場合、眼底検査を受けることが非常に重要です。眼底検査は、眼科医が眼底の状態を観察し、血管の異常やその他の病変を確認するための検査です。この検査によって、高血圧による眼底の変化を早期に発見することができます。健康診断のオプション検査としても実施ができますので、健康診断で血圧が高ければ相談してみるのも良いでしょう。

検査の流れ

眼底検査は、通常、以下のような流れで行われます。

視力検査：最初に視力を測定します。
眼圧検査：眼圧を測定し、緑内障のリスクを評価します。
瞳孔を拡げる：点眼薬を使って瞳孔を拡げ、眼底を詳しく観察できるようにします。
※簡易的な検査の場合は、瞳孔を広げなくても検査ができます。
眼底観察：眼底カメラやスリットランプを使用して、網膜や視神経の状態を詳しく観察します。

検査時の注意点

眼底検査を受ける際には、以下の点に注意してください。

運転の控え：瞳孔を拡げる薬を使用するため、視界がぼやけることがあります。検査後数時間は運転を控えた方が良いでしょう。
アレルギーの確認：使用する薬剤にアレルギーがある場合は、事前に医師に伝えましょう。
服用している薬の確認：高血圧の治療薬を服用している場合、その旨を医師に伝えてください。

眼底検査で異常があった場合の対処法

眼底検査の結果、異常が見つかった場合は、適切な対応が必要です。

専門医の紹介：異常が認められた場合、眼科医から専門医（例えば、網膜専門医）への紹介が行われることがあります。
追加検査：必要に応じて、さらに詳しい検査（例えば、網膜の血流を調べる検査）を受けることが求められることがあります。
治療計画の策定：異常の内容によっては、治療が必要になることがあります。適切な治療計画を立て、定期的なフォローアップを行うことが重要です。