大腸がんの死亡率は 男性:2位 女性:1位
日本人ががんと診断される確率は50%、2人に1人ががんになると言われています。
部位別のがん死亡率では、大腸がんは男性が2位、女性が1位を占めています。
出典:がん情報センター,国立がん研究所 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
早期の大腸がんは90%以上、治るがん!
大腸がんは早期に発見できれば、お腹を切らずに内視鏡で治療が可能です。
しかし、大腸がんは早期の段階では自覚症状がありませんが、進行すると次のような症状が現れることがあります。
・血便(便に血が混じる)
・下血(肛門から出血する)
・便通異常(便秘、下痢、便秘と下痢を繰り返す)
・便柱狭小(便が細くなる)
・残便感(便が出きらない感じ)
・腹痛
・腹部膨満感
・腹部のしこり
・貧血
・吐き気
大腸がん検診で早期発見が可能
そこで受けていただきたいので「便潜血反応検査」です。
排便時に目には見えなくても、顕微鏡で確認するので、わずかな出血も発見できます。
便は2日分提出しましょう 死亡率が60〜80%減る
便潜血検査は、大腸がんやポリープなどの病気があると便の移動に伴って組織が擦れて大腸内に出血を起こすことがあるため、便内の出血量を調べることで大腸がんの発症リスクを判定する検査です。
精度をより高くするために、2日間分の便を採取する方法(2日法)が一般的です。
2日法では、2日に分け違う便から1本ずつ採取します。
便潜血検査の感度は、1回採便法では30~40%程度、2回法では70%程度、さらに2年目(のべ4回)では91%程度と、便検査の回を重ねるごとに高くなります。
便潜血検査で陽性になった場合は、精密(大腸内視鏡)検査を受けることを強くお勧めします。
この検査を受けておくことでで大腸がんの死亡率はぐんと下がります。
便潜血検査の検査方法
1)容器に名前や採取日を記入する
2)通常のスタイルで便器に座り、排便途中で多めのトイレットペーパーで肛門を拭く付着した便から採便スティックで必要な量を採取する
(専用のペーパーが付属されているものもあります)
3)採便後は冷暗所で保存する
採取時にはここに注意!
便潜血検査の取り方には、次のような注意点もあります。
・採取から4日以上経ったものは信頼性が失われます。
・生理中は避けます。
・水に浸かったり、トイレの洗浄液に浸かった便では正確な検査はできません。
・2日法は同じ便では採取せず、必ず違う便から1本ずつ採取します。
どうやって検査を受けるの?
・健康診断のタイミングで依頼する(コースに含まれる場合やオプションで追加する場合があります)
・市町村の検診で依頼する(補助してくれる対象年齢が決まっているところがありますので、健康管理センターへ問い合わせてみましょう)
便潜血反応が陽性になったら
精密検査を受けましょう
便潜血反応が陽性になったら、2次健診で「大腸カメラ検査」での精密検査が必要になります。
大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。大腸がんを早期に発見できるのは「大腸カメラ検査」のみです
健康診断の受診者さんの中には、「便潜血陽性です」と指摘を受け、大腸カメラ検査を勧められても2次健診に繋がらないことが多く、心配しています。
「私、痔があるので切れてしまっただけだと思います」
「大腸カメラはやりたくないので、もう一回便潜血検査をやってみて考えたいと思います」
何もなければいいですが、しっかりカメラで見てみないと大腸の中の様子はわかりません。
せっかく見つかった「早期発見の大腸がんのリスク」を上記の理由で精密検査を受けずに放置するのは良くありません。
大腸カメラ検査を受けたことがない方は特に、「便潜血陽性」が1度でも出たことがあれば、検査しておくことをお勧めします。
大腸がんになると
ポリープなど、早期であれば内視鏡で切除することが可能です。
進行してくるとお腹を切る手術をする必要があります。がんの大きさや位置によっては人工肛門(ストーマ)が必要になる場合があります。
大腸がんの手術では、がんがある腸管とリンパ節を切除し、残った腸管どうしをつなぎ合わせる(吻合)のが基本です。
直腸がんの手術では、肛門を残す括約筋温存手術と、肛門を残さない直腸切断術の2つの選択肢があります。
肛門を残さない手術は人工肛門が必要
直腸切断術では人工肛門(ストーマ)が必要になります。ストーマは、手術によっておなかに新しく作られた便や尿の排泄の出口です。ストーマを造設すると、排泄物やパウチの管理が必要になります。ストーマ造設直後は看護師が行いますが、自分で行えるようになると日常生活はほとんど変わらないようになります。
ここまで進行しないために、早期発見、早期治療を!
大腸がんが進行し、人工肛門が必要になると日常生活の制限も多くなります。
まずは検査をすること、「予防」が大切です。
そして、鮮血反応が出たら「精密検査」を必ず受け、早期発見に努めましょう。
・忙しいから
・検査が怖いから
などと理由をつけて先延ばしにすると、将来の生活の質を落としてしまいかねません。
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